中野サンプラザ 区の持ち物に
再開発計画が見直しとなった中野サンプラザ。その土地・建物の権利を中野区が持つことになりました。「もともと中野区のものなのでは?」と疑問の方もいるかと思います。正確には「まちづくり中野21」という株式会社(区が全株を保有)が所有しています。
株式会社であるため、固定資産税などを年間約3億円払う必要があるとともに、「まちづくり中野21」には金融機関からの約43億円の借金があります。このお金は再開発によって得られるはずだった約354億円の転出補償金から支払う予定でしたが、その見通しも立たなくなりました。
金融機関からの借金は抵当権が設定されており、この借金が返せないと、土地建物は競売にかけられ債権回収に充てられることになっていました。そこで株式会社・まちづくり中野21から中野区に対して、中野サンプラザの土地・建物を「寄付」するとともに、中野区がまちづくり中野21に借金額に見合う額を追加出資し、抵当権を抹消することにします。
これにより、今後の再開発のあり方を考える時間的な猶予ができます。ただ、「中野区が追加出資したお金はどうするのか?」という問題があります。これは、今後の再開発で転出補償金などの形でもらおうというのが区の考えです。
中野サンプラザ地区の再開発を考えるとき、非常に難しいのがこのお金の流れです。区が考えている市街地再開発事業や今後検討される定期借地方式など、中野サンプラザを「建て替える」やり方は、中野区が土地の権利などから転出補償金などの形でお金を「もらう」側になります。一方で、中野サンプラザの建物を「活用」する場合、転出補償金などは受け取れない上、「大規模改修の費用などは誰が出すのか?」という問題が発生します。
それだけに、「中野駅前にどういう街を作るのか?」という議論とともに、財政的にどういう影響が発生するのかなど、真剣な検討が必要です。
党区議団では、こうした検討を住民参加で行えるよう区に対して求めていきます。