映画感想『小学校 ~それは小さな社会~』
先日、『小学校 ~それは小さな社会~』という映画を観ました。この映画は都内の実在する小学校の1年を追ったドキュメンタリーです。今、世界では学校の中の教科以外の掃除や給食の配膳などを子どもたち自身が行う「TOKKATSU(特活)」が大きな注目を集めているそうです。
映画のホームページには「教育大国フィンランドでは20館の拡大公開で大ヒット」とのキャッチコピーが掲載されています。また「私たちは、いつどうやって日本人になったのか?ありふれた公立小学校がくれる、新たな気づき」という映画の紹介文や、「6歳児は世界のどこでも同じようだけれど、12歳になることには、日本の子どもは“日本人”になっている」というおそらく監督のコメントも載っています。
新入生を歓迎する入学式に楽器の演奏で迎える小学2年生のAさん。他の人が演奏できるのに、その子は演奏ができない。それを「他の人と違ってあなたが練習してきていないからだ」とみんなの前で叱責する先生。「勉強してちゃんと聞きに来る人には教えます。ただ、タブレットで遊んでばかりの人には何もしません」と言い放つ先生。
「あなたができないのはあなたのせい」と自己責任を内面化させ、みんなの前で叱責することで子どもを辱め、「あの子はダメな子」とのレッテル張りを助長し、言質を取らせるようなやり方。
「こうした学校が“特別”なのではなく“ありふれた”ものだからこそ、私の嫌いな、権威に従順で同調圧力の強い日本社会が出来上がっているのだな」という感想を持ちました。私には子どももいないし、学校の先生になったこともないので、「子どもを育てる」ということがどれだけ大変なことなのか、実際のところは分かりません。しかしそれでも、私はこの映画を観て、何度も息が詰まるような感覚を覚えました。
「中野区の学校が」「中野区の学校だけが」、そうだとは言いませんが、全国で不登校の子どもたちが増えているのも、学校に変化していくべき点があるのではないかと感じます。
今日は5月5日、「こどもの日」です。「子どもには権利がある」といって、世界的には子どもの権利条約があり、中野区にも子どもの権利に関する条例があります。しかし現実には、そうしたことはなかなか知られていません。
📰日本の子どもたちの半数以上は「意見表明権」があることを知らない
中野区でも、「子どもの意見を反映した学校運営の取り組み」が昨年度から始まりましたが、こうした取り組みも一助になるのかもしれません。